国際物流、何を使う?海上輸送と航空輸送のメリット・デメリットまとめ
国際物流を支える輸出製品を取引相手へ送り届ける手段として、海上輸送と航空輸送が主に利用されています。これらの輸送方法はそれぞれに特徴があり、それぞれメリット・デメリットが存在します。
本稿では、これらの違いとメリット・デメリットについて説明します。
国際物流の99%が海上輸送
海上輸送は、一度の輸送で大量の貨物を運べるという理由から国際物流において99%の輸送を担っています。
海上輸送で運べる積載量は船舶の種類によって異なりますが、主な船舶であるコンテナ船の総輸送重量は51,100トン程です。一方、航空輸送で一度に運べる量は最大100トンです。
輸送期間には航空輸送が圧倒的
スピードという観点では航空輸送が圧倒的です。輸送期間を比較すると、例えばイタリアへの海上輸送は約半年かかりますが、航空輸送ではわずか1日+7時間で到着します。
医薬品や精密機器、新鮮な食料品といった商品については速やかに運ぶことが必要とされており、航空輸送が利用されています。
航空輸送運賃は海上輸送運賃の7倍
運賃については、海上輸送料金と航空輸送料金が貨物製品の種類や量、距離によって変動します。一般的に、航空輸送運賃は海上輸送運賃の7倍程度です。海上輸送に不向きな製品を輸送する場合、品質維持や短期間での配送が求められるため、高いコストを払ってでも航空輸送が選ばれます。
梱包方法はそれぞれ注意が必要
梱包方法は国際規定に従い、航空輸送では軽い梱包材を選ぶ傾向があります。これは、運賃が重量によって算出されるためです。海上輸送では水濡れに注意し、強固な梱包が必要です。海上輸送と航空輸送それぞれの輸送環境と規定に基づいた梱包が重要です。
海上輸送と航空輸送のメリット・デメリット
ここまでの内容を踏まえて海上輸送と航空輸送のメリット・デメリットを整理していきます。
海上輸送のメリット
・大量の貨物を一度に運べる
・運賃が安い
航空輸送のメリット
・輸送期間が短い
・空調管理が可能である
海上輸送のデメリット
・国際情勢や取引相手国内の社会情勢の影響を受けやすく、物流の動きを止めてしまう可能性がある
航空輸送のデメリット
・運賃が海上輸送よりも高い
まとめ
いかがだったでしょうか?
適切な輸送手段の選択は、輸送製品の特徴によって大きく左右されると言えます。
低コストで輸送できる海上輸送は、大量の貨物や時間に余裕のある輸送に適しています。一方、航空輸送は高価ではありますが、短期間での配送や特殊な条件が必要な製品に最適です。
海上輸送と航空輸送はそれぞれに特徴があり、メリット・デメリットが存在します。
それぞれの違いを理解し、輸送製品の特徴や目的に最適な方法を選択することが重要です。
運賃コスト、輸送期間、輸送環境などの要素を検討し、効率的かつ適切な国際物流を実現することが求められます。