安心な海外取引を実現!債権未回収を回避する6つの方法とは?
海外企業との取引において日本サプライヤーの大きなリスクの一つが債権の未回収です。
今回は債権の未回収リスクを防ぐ主な6つの方法をご紹介します。
信用状(L/C)の利用
信用状は、国際取引において広く利用される支払い保証手段です。売り手と買い手の間で取引条件が合意されると、買い手の銀行が信用状を発行し、売り手の銀行に送付します。信用状は、売り手が所定の条件を満たした場合に銀行が支払いを保証するものであり、売り手は未回収リスクを大幅に軽減できます。信用状には、照会信用状と保証信用状の2種類があり、それぞれ異なる保証範囲があります。
クレジットカード決済の利用
クレジットカード決済は一般消費者との取引で一般的な決済手段ですが、少しずつ企業間の取引でも浸透してきています。
クレジットカード決済を利用することで、売り手は債権未回収リスクや遅延のリスクをカード会社に移すことができるため、入金が保証されるだけでなく、キャッシュフローの予測も行いやすくなります。
また、買い手も出金タイミングを遅らせることができることはもちろん、海外送金の面倒な手間を無くすことが可能です。
貿易信用保険の加入
貿易信用保険は、海外取引における天候リスクやカントリーリスクを回避する方法として広く活用されていますが、債権の未回収リスクをカバーすることも可能です。輸出入取引や海外投資など、様々な国際取引において加入することができます。万が一、買い手が支払いを履行しない場合に、保険会社が一定割合の補償を行います。補償率は通常70%から90%程度で、保険料率は取引先の信用リスクや取引条件によって異なります。加入することで、経済状況や政治的リスクによる未回収リスクを軽減できます。
代金回収代行サービスの利用
現地の法律や法的な手続きに精通している専門の代金回収会社に債権の回収を代行するサービスです。買い手が支払いを行わない場合には、代金回収業者が追加の手続きを行い、未回収リスクを低減できます。事前調査の手数料や成果報酬での手数料など、プロセスの進行具合によって料金が発生する事業者が大半を占めています。
前払いや分割払いの導入
取引条件を前払いや分割払いにすることで、未回収リスクを軽減できます。
前払いにより、売り手は買い手が支払いを履行しないリスクを完全に回避できます。ただし、買い手にとっては資金繰りやリスクが高まるため、前払いを提示することによって取引自体が失注してしまうケースもよく耳にします。
分割払いは、商品の出荷前や出荷後に分割して支払いを受け取る方法です。これにより、未回収リスクを分散させることができますが、もちろんかけ払い分も一定残るため完全にリスクを回避することはできません。
買い手の信用調査
取引を行う前に、買い手の信用調査を行い、信頼性や支払い能力を確認することで、未回収リスクを回避できます。信用調査は、専門の信用調査機関や金融機関を通じて行うことができます。調査結果に基づいて、取引条件やクレジットリミットを設定し、未回収リスクをコントロールできます。
まとめ
海外企業との取引において日本のサプライヤーが債権の未回収をヘッジする方法をご紹介しました。
決済は取引において非常に重要な観点であることは間違いありません。
一方で決済の条件がすり合わせず、失注してしまったり、取引上不利になってしまうケースも存在します。
取引の利益率や取引先との関係値、その他の貿易条件などを考慮して、リスク管理を行いながらもフラットな条件での取引を意識することが国際取引を円滑に進めるにおいて非常に重要な観点であると言えます。