日本の化粧品人気は健在!マレーシアにおける美容・パーソナルケア市場のトレンド
マレーシアの美容・パーソナルケア市場は、近年急速に成長しており、2019年には100億リンギ(約3,070億円)を超え、2021年には113億リンギ(約3,469億円)に達しました。
市場全体の2017年から2021年の年平均成長率は5.7%で、2021年は対2016年比で31.6%拡大しています。今回、現在マレーシアに輸出するべき日本の美容・パーソナルケア商品についてまとめます。
販売構成比1位のスキンケア
販売額の構成比が最も大きい分野がスキンケア分野です。2017年から2021年の間で年平均7.1%増加し、2021年は対2016年比で40.8%成長しています。
以下のジャンルの日本のスキンケア商品がマレーシアで人気であり、これからも販売額が伸びると予想されています。
- 日本の高品質な化粧水や乳液、美容液などの基礎化粧品
- 日焼け止め製品や美白ケア製品
- 敏感肌や乾燥肌用のスキンケア製品
- アンチエイジング製品
スキンケアに続くジャンルは?
販売額構成比率でスキンケアに続くがオーラルケア(15.6%)、ヘアケア(13.8%)、バス・シャワー用品(13.7%)、メンズグルーミング(10.4%)です。これらジャンルのうち、以下のような日本の商品がマレーシア市場での販売額を伸ばしています。
- 高品質な歯磨き粉やマウスウォッシュ
- シャンプー、コンディショナー、ヘアトリートメント製品
- 入浴剤やボディウォッシュ、ボディスクラブなどのバス・シャワー製品
- 高品質なメンズ用シェービングフォームやアフターシェーブ、スキンケア製品
成長率1位はバス・シャワー用品部門
対2016年比で販売額が最も増加したバス・シャワー用品部門です。その成長率は約1.5倍と大きく伸びており、これからも拡大していくことが想定されます。バス・シャワー製品についても日本製品の人気は高く、マレーシア市場で好まれる可能性があります。
- 独特な香りや成分を使用した日本の入浴剤やボディウォッシュ
- ナチュラル成分やオーガニック素材を使用したエコフレンドリーなバス・シャワー製品
- リラクゼーション効果や美容効果を追求したバスソルトやアロマオイル入りの製品
- ボディマッサージ用のオイルやクリームなどのウェルネス関連商品
その他注目のジャンル
その他の分野では、皮膚科医の監修による製品開発などを行う「デルモコスメ」が年平均10.7%増と急速に販売額を伸ばしています。以下のような日本のデルモコスメ製品がマレーシア市場で需要が見込まれます。
- 敏感肌やアトピー性皮膚炎に対応した低刺激性のスキンケア製品
- アクネケアや毛穴ケアなどの特定の肌悩みに対応した製品
- 医療機関と連携した美容成分を配合したエイジングケア製品
- 天然成分やオーガニック素材を使用したデルモコスメ製品
一方、カラーコスメ製品は新型コロナウイルスの拡大やマスクの使用が日常化により2020年は前年比8.8%減、2021年は同4.6%減と低迷しています。
しかし、新型コロナウイルスの終息とともに、今後の市場回復を見込まれており、以下のような日本のカラーコスメ製品がマレーシア市場で受け入れられる可能性があります。
- マスクによる摩擦に強い、崩れにくいファンデーションやパウダー
- 目元の印象を強調するアイシャドウ、アイライナー、マスカラ
- マスクに付きにくいリップスティックやリップティント 高品質で使いやすいチークやハイライター
- クレンジングやメイク落とし製品
輸出時の注意点
マレーシアに美容・パーソナルケア商品を輸出する際には、以下のポイントに注意してください。
- マレーシアの気候や肌質に合った商品展開を行うことが重要です。例えば、高温多湿の環境では、さっぱりとしたテクスチャーや汗・皮脂に強い製品が求められることがあります。
- マレーシアの消費者はハラール認証や動物実験を行っていない製品に対して高い関心があります。これらの認証や方針を明確にアピールすることで、市場の信頼を得ることができます。
- SNSやインフルエンサーを活用したマーケティングが効果的です。マレーシアの若い世代は、インスタグラムやYouTubeなどのSNSを積極的に利用しており、情報収集や購入意欲の喚起に役立ちます。
- 日本製品の品質や独自性をアピールすることが重要です。日本の美容・パーソナルケア製品は、高品質で独自の技術や成分が使用されているというイメージがあります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
高品質な製品や独自の技術を持つ日本の企業がマレーシア市場で成功するためには、現地のニーズに応える商品展開や効果的なマーケティング戦略が不可欠です。
一方でマレーシアの美容・パーソナルケア市場まだまだ「made in Japan」ブランドが有効な国・ジャンルでもあります。
定期的に現地のトレンドをキャッチアップしなが市場の拡大を目指しましょう。