日本の伝統工芸品の輸出チャンス!イギリス伝統工芸品が注目される理由
近年、イギリスでは工芸品への注目が高まっていることを皆さんご存知でしょうか?
中でも日本の伝統工芸品は非常に人気を集めています。その背後にはどんな理由が潜んでいるのかまとめてみました。
イギリスで日本の伝統工芸品が人気の理由
ストーリー・価値観への共感
日本の伝統工芸品が理由として、日本の工芸品の持つ独自のストーリーや価値観が、イギリスのバイヤーや消費者たちと共感を呼んでいることが大きな要因となっています。
イギリス内での工芸品購入額は、2006年の8.83億ポンドから2019年には30億ポンドを超えるほど急増しており、その背後には、イギリス人が工芸品のストーリーや価値観に共感を覚える理由があります。例えば、2017年に英国でベストセラーとなった「Ikigai(生きがい)」という本は、日本人が古くから持つとされる価値観や考え方に焦点を当てたもので、これが英国の人々に新しいコンテンツとして捉えられ、日本の伝統工芸品にも注目が集まるきっかけとなりました。
また、イギリスのメディアが伝統的な技法である「金継ぎ」を特集するなど、日本の工芸品が持つ人間の不完全さの美しさや、失敗に直面したときに勇気を持つことの重要性などの価値観が、イギリスの人々に共感を得ています。
金継ぎのワークショップが英国各地で開かれ、SNSを通じて情報が広がり、若者たちが伝統工芸品を大切にする姿勢を誇りとしていることも、日本の工芸品が受け入れられている理由の一つです。
コミュニティの形成
さらに、ロンドンなど多国籍な環境で生活する人々は、大量生産ではなく、作品ごとに特徴が異なる工芸品を好む傾向があり、日本の伝統工芸品が持つ個性や独自性が英国内でのクラフトへの注目に貢献していると考えられます。
こうした日本の伝統工芸品の歴史や特徴、作家の思いで構成されたストーリーが、英国の人々の
人生観や価値観に訴求し、それが人から人へと伝えられることにより、同じ思いを共有できるコミュニティが結果として形成されていくのです。
このようなコミュニティの形成は、イギリスにおける日本の工芸品の人気をさらに高め、購入額の増加につながっています。
消費行動に対する疑問
加えてイギリスでは大量生産・大量消費を問題視する人が増えていることもイギリスの伝統工芸品に対する関心に拍車をかけています。特に若い世代は、自分のこだわりを基準に購入して大切にすることを誇りとし、SNSでその様子を発信することで広がっています。これも、イギリスにおける日本の工芸品人気の一因となっています。
まとめ
多様性を受け入れるイギリスの若い世代やバイヤーの価値観と、日本の伝統工芸品が持つ独自のストーリーや価値観がうまくマッチしていることが、イギリスにおける日本の工芸品の人気の理由であると言えます。
これらの要素が相まって、イギリスにおいて日本の工芸品はますます注目を集め、購入額が増加しています。
イギリスの人々の価値観やニーズに応える日本の工芸品が引き続き人気を集めることでしょう。